鷲原寺・奥之院(岩屋観音)|巨岩に祀られた壮大な信仰の形

鷲原寺(わしはらじ)

奥之院(岩屋観音)

みどころはいかに!?

  1. 異世界の様な雰囲気が味わえる
  2. 自然がとても豊か
  3. なんか次元が違う 

山中に鎮座する鎌倉時代の石仏群

どんなお寺!?

本尊 

千手観音菩薩立像(秘仏

(町指定重要文化財

平安時代の桧の一木造

180cmの大きい仏像

 

宗派 高野山真言宗

開山 法道仙人

創建 詳細は不明(約1300年前)

 

住所 兵庫県朝来市岩津1441

鷲原寺(本堂)

鷲原寺を通り過ぎて行くと

鳥獣対策の柵に突き当たります。

入域の際は開けて、

帰りには閉めるようにしてください。

その後道なりに進むと駐車場が

あるのでそこがゴールとなります。

奥之院へGO!

前方の巨岩の窪みに観音さんがおられる

駐車場は広いので安心です

奥之院(岩屋観音)とは!?

本尊 秘仏 

千手観音菩薩を中心に計15体+1体の摩崖仏 

(全て石仏)

全て鎌倉時代の作で

県指定重要文化財に指定されています。

心阿という仏師

(奈良の西大寺系の仏師だそうです)

が造立した銘があり貴重な仏像です。

〇春の大祭と毎月18日の

午前中のみ御開帳(護摩焚きが行われる)

法道仙人の石仏は激レア 倶利伽羅不動と不動明王が同じ石に彫られるのもかなり珍しい

いよいよ奥之院!

境内の諸堂(薬師堂・弁天堂・毘沙門堂地蔵堂

境内の入り口(境内には小振りではあるが諸堂が並ぶ)

生命の息吹を感じるご神木もある(中が空洞で神さんが祀られている)

薬師堂(堂内は出入り自由で古いお薬師さんの坐像がある)

お地蔵さん

弁財天の祠(前には水場がある)



鐘楼も完備

近くには沢が流れている

いよいよ観音堂へ!

の前にまたまたお社を発見

山岳信仰の最強チームがお祀りされている

渡り廊下を渡り入堂

観音堂

横から一階部分に入る

1階部分は階段が2つあります

高い位置にある岩屋に合わせるための1階部分

岩屋から流れ出る霊水

観音さんの岩屋から水が湧いており常に少量だが下に流れてくる
霊水とされ飲めるそうです。

階段を登っていく

ここがお堂の正面となります(鰐口があります)
堂内は出入り自由で正面から入ります。
(地元の皆さんとご住職に感謝です)

観音堂の内部

観音堂の堂内 奥に岩屋がある(電気のスイッチは入ってすぐ右手にあります)

堂内は厳かで別世界のように感じます

この奥が岩屋となっており16体の石仏が祀られている。

巨岩に張り付くように造られている

この奥が岩屋
近くで見たことありませんが大日如来の摩崖仏は
 上の方にあるので目視ではあまり見えないそうです

 

御本尊の石仏群

ご本尊さん秘仏なのでHPより拝借しました。

岩屋内はこんか感じ(HPより拝借)
年中にわたり水が湧き荘厳な雰囲気も醸し出している。

倶利伽羅剣と不動明王童子

こちらが珍しい倶利伽羅龍とお不動さんの石仏(HPより拝借)

地蔵菩薩

お地蔵さんも他にはない尊容

天井付近にある大日如来の摩崖仏

こちらが天井付近にある大日如来の摩崖仏(HPより拝借)

何故一体だけ見にくい場所に摩崖仏なのか?

気になった方もおられるかもしれません。

詳しくはわかりませんが

 

個人的な意見で

この岩屋の空間を仏さんの世界を

表したいという気持ちから

全宇宙

地球があるのは宇宙で数々の

惑星がある様に仏さんの国も無数にあり

大きな宇宙のような世界にあると

仏教では言われます

の象徴である大日如来

岩屋の壁面にそれも天井に近い部分に

彫ったと思われます。

 

しかも奈良の西大寺

((西大寺真言律宗)の仏師である

心阿さんならこの思想を

持っていてもおかしくないと思います。

 

また、恐らくですが初めから

大日如来を見える体で彫っていないと思われます。

高野山でも本堂は阿閃如来で主尊格の

大日如来は根本を表す根本大塔に祀られる様に

真言宗では特別な尊格の仏さんになります。

でも大塔に行けば見れます。

ではなぜ見えないとこに???

神仏習合

この話から複雑になりますが

造立された頃は時に鎌倉時代

神仏習合の考え方が既に始まっていた時代。

神社の御神体を目にする事が出来ないように

根本の部分は恐れ多いものである

事から恐らく全宇宙を表す根本の大日如来さんを

目にする事が出来ないように

したと思われます。

なので神仏習合の要因も交わり

天井の付近の見えにくい所に彫ったと思われます。

 

お寺で言う秘仏としたもしれません。

恐らく昔の話

これも個人的な意見なのですが

今は写真のように並んでいますが

須弥山(仏さんの世界)を表すように

各石仏の仏さんがそれぞれのポジションにつく

様にちょっとまばらに安置されていたかもしれません。

(祀られている仏さんがコアな方もおられるので)

石仏が割れたりしているのも過去の

地震や地盤の変化で倒れたりが原因だと思うので

最後に倒れないように今の位置を整地して

纏めた可能性もあると思います。

心阿さんが彫った当時

これも個人的な考えです(笑)

造立された当時は、恐らく先に石仏の方々を作り

最後に摩崖仏を刻んだと思われます。

 

何故、最後か!?

この岩屋の空間に命を吹き込むためです。

神聖な岩屋になるのは確かですが、

天井に大日如来を刻んだ事でこの空間は

未来永劫に仏の世界である証明(開眼)

として刻んだはずです。

 

この岩屋自体が曼陀羅の世界のように・・・

その後に石仏を順番に安置していったかもです。

岩屋の中にある水鉢もなんか意味あるかもですね・・・

(か単なる仏具としてかもですが)

法道仙人(激レア!)

左下がこれも激レアな法道仙人の石仏(HPより拝借)
法道仙人の石仏は旧鐘ヶ崎トンネルの入り口と宇土観音さんの
裏山で見たことがあります。

  
一見、修験道の開祖・役の行者さん

に見えますが

法道仙人の場合は

錫杖と三鈷杵を持つか杖と鉄の空鉢

を持つ姿で現されます。

壮大な信仰の形

多々良木に行者岳という山があり

そこの大きな岩の裂け目を女陰(女性のシンボル)

とし青倉の青倉神社に祀られる御神体

巨岩を男陰(男性のシンボル)

そしてその子供(子宝)を

この岩屋観音の石仏とするスケールの大きい陰陽の信仰

が表されているそうです。

 

なんとも凄いビッグスケールですね・・・

最後に

機会があれば是非お参りください!

 

また、堂内も火元の注意が条件のもと

薬師堂にいたるまで自由に出入りを

させて下さる地元の皆さんをはじめ

ご住職さんには本当に感謝です・・・

 

境内も日に日に修繕が行われ綺麗に

掃除がなされているので地元の方々が

大切にされている信仰の場所と凄く感じました。

これから先も続いてほしいと思います。

 

また石仏の写真はHPより拝借しました。

この場を借りてお礼を申し上げます。

問題等ありましたらご連絡くだいさい。

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