法道仙人ってどんな人?|語り継がれる謎に包まれた渡来僧

法道仙人の謎に迫る

兵庫に語り継がれる謎の渡来僧

  1. 法道仙人の正体とは?
  2. どんな足跡が残っているの?
  3. 読み解けば歴史がわかる

今回は法道仙人さんについて迫ります!

法道仙人(ほうどうせんにん)って?

こちちらが法道仙人さん(HPより拝借)

いや役の行者さんやん!となりますが

じつは法道仙人さんです(笑)

大きな違いとしては持ち物が独鈷と鉄のお椀
を持つのが特徴です。

また独鈷と杖を持つ姿でも表されます。

鉄のお茶碗にちなみまたの名を

『空鉢仙人』くうはつせんにんとも呼ばれます。

※これについては後述します。

略歴と言い伝え

生没年に関しては不明です。

伝説や言い伝えのみが残る謎のお方です。

天竺(インド)の霊鷲山から雲に乗って加西市一乗寺
来られたと言われています。

そして一乗寺を中心に沢山のお寺を開き仏教の伝来に
活躍されます。

なので播磨一体・兵庫県に集中して法道仙人さんが
開基したとされる寺院が多く残ります。

方術を使える!?

方術という術を駆使できる力もあり
特に『飛鉢の法』をよく使ったそうです。

鉄のお茶碗を飛ばして托鉢をしたり

時には盗賊を懲らしめたり様々な言い伝えが残ります。

伝説を伝える地名

代表的な言い伝えは地名として残っています。

加古川市 米田町 かつては米堕村と呼ばれていました。

むかし・むかし

強引に年貢を取り立てた役人さんたちがいました。

民は悲しみますがどうにもできません・・・

しかしそれを聞いた法道仙人は得意の
『飛鉢の法』を使いました。

船で瀬戸内海を通過しようとした年貢を沢山積んだ
船に乗る役人たち。

その時・・・・!

突然鉄の茶碗が飛んできて年貢をかっさらっていきました(笑)

鉄のお茶碗は無事に民の元へ年貢を返しました。

しかし!!!!

返す道中に米俵一俵を落としてしましいました!!!
(ちょっとした法道仙人のミスだったのでしょうか・・・?)

その落ちた場所

それが加古川市 米田町(旧米堕村)の由来です。

陰陽道まで使える!?

方術だけではなく
陰陽道まで極めていたそうです!

安倍晴明のライバル
蘆屋道満(あしやどうまん)さん
法道仙人の流れを汲む陰陽師である
とも言われています。

謎多き牛頭天王を請来した!?

法道仙人は日本に渡って来るときに
牛頭天王と共に来られたと言われています。

初めに姫路市廣峯神社に祀られ

その後に

京都の八坂神社に祀られたと言い伝えられています。

最後に

謎多き法道仙人さん

播磨の国一帯と兵庫県に数多くの寺院の開基の
名前を残す謎多き僧侶。

お寺だけではなく

伝承或いは手形の石や馬の蹄の後・・・
沢山の足跡が現在に残っています。

ロマンに満ちた謎多き法道仙人・・・

これからも徐々に法道仙人さんの事を投稿
出来たらなと思います!!


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金剛院|若き日の快慶が刻んだ二体の仏像

金剛院(こんごういん)

京都府舞鶴市鹿原595


見どころ

快慶作の仏像2体

執金剛伸と深沙大将

江戸時代に細川幽斎(藤孝)が
作庭した鶴亀の庭とともに植樹した楓が有名

新緑もめっちゃ綺麗

三島由紀夫金閣寺の舞台でもあるそうです。

金剛院ってどんなお寺?

【宗派】東寺真言宗

【開山】真如法親王

【創建】829年

【本尊】波切不動明王秘仏
 ※毎年節分に御開帳

トイレ・駐車場完備

入山料300円

宝物館300円

歴史と御縁起

真如法親王高野山から
弁財天を勧請し創建したと言われている。

親王は後に弘法大師の弟子となったそうです。

本尊は当初阿弥陀如来であったが
後に不動明王に変わりました。

これは白河天皇比叡山無動寺から
相応和尚作という不動明王像を勧請し
再興されたと縁起には記されているそうです。

阿弥陀さんは現在、宝物館におられます。

本堂


三重塔

室町時代に再建された三重塔

若き快慶の仏像

金剛院には2体の快慶さんの仏像が残っています。

いずれも若い時の制作ではないかと言われています。

見ていると若い時から
その腕前は存在していたと思わせるスペックです。

執金剛伸

あれ!?

見たことあるぞ・・・

と思われた方もおられるかと思います(笑)

東大寺の執金剛伸と同じです!

これは推測ではありますが
東大寺の執金剛伸を模して彫られたのでは
ないかと言われています。

もともとは極彩色であったそうです。

深沙大将

こちらは深沙大将

もう写実的な表現が完璧にできています(笑)
鎌倉時代の特徴が既に完成しています・・・

こちらも極彩色であったそうです。

最後に

若き日の快慶さんの仏像が残る金剛院

その他阿弥陀さんから仁王さんまで
収蔵庫には沢山の仏像がおられます。

お近くに来られた際はどうでしょうか~??




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室町時代に三重塔が再建されている。

朝光寺|東西両尊は三十三間堂に繋がる


朝光寺(ちょうこうじ)




朝光寺ってどんなお寺?

山号
 鹿野山(ろくやさん)

【宗派】
 高野山真言宗

【本尊】
 東本尊
 ・千手観音菩薩

  (兵庫県指定文化財
 西本尊
 ・千手観音菩薩

  (国指定重要文化財
 
 ※60年に一度の秘仏

【創建】
 伝・651年

【開山】
 法道仙人

住所
兵庫県加東市畑609

入山料・拝観料は無し

トイレ・駐車場完備

朝光寺の縁起


651年に法道仙人によって開かれ
現在の朝光寺裏山(権現山)に堂塔が
建立されたそうです。

1189年に現在の位置に移転。

伝承が多く確かな事は詳しくわからない・・・

本堂(国宝)

昭和29年に国宝に指定された本堂。

厨子の裏板の墨書から
室町時代(応永20年・1413年)

が見つかり建築年代が明らかとなる。



室町時代密教仏堂の代表作と言われ

『和様』に『禅宗様』の要素を加味した
『折衷様』呼ばれる建築だそうです。



和様と禅宗様の折衷様建築はどんなものですか?

と聞かれたら朝光寺の本堂です!!!

と答えても良いと言われるほどわかり易い
代表作であると言われています。

内部も重厚

今では手に入らないような
大きな木材で内部も作られています。


堂内の雰囲気がやっぱ違いますよね

東西両尊


朝光寺の御本尊は
東西両尊と呼ばれる2体の観音さん

内陣にはめっちゃ大きい厨子があり
扉が2つありそれぞれの場所にお祀りされています。

向かって右側は通称・東本尊
向かって右側は通称・西本尊

両尊とも千手観音さんです。

東本尊

東本尊(HPより拝借)

東本尊は創建当初から
安置されていると推測されます。

見た目は黒く古仏に相応しいお姿をされています。
※写真は公開されています。

10年前ぐらいに本堂の大規模な修理が終わり
落慶の記念で両尊ともに御開帳され拝観する事ができました。

地元の方の話では
60年に一回の秘仏ですが
今まで御開帳は西本尊だけで東本尊を生で見るのは初めてと
仰られていました。

長らく秘仏であったようです。

西本尊

西本尊(HPより拝借)

古来より
本堂が再建された時に
三十三間堂の観音さんを譲り受け安置された。

と言い伝えれている西本尊。

東本尊と比べて金箔が良く残る観音さんです。

フランスの展覧会にお出掛けされたりと
何度かお目に掛かれる機会があったようです。

言い伝えは本当だった!!

昔から言い伝えられていた西本尊の来歴

調査の結果

三十三間堂の観音さんに見られる墨書と花押が
西本尊からも見つかり一致したそうです。

これにより言い伝えは本当であったようです。

この調査により県の指定文化財から
2019年に国の指定重要文化財に昇格しました。

譲り受けた話

詳しい経緯はわかりませんが
三十三間堂が火災で焼失した時に
無事助かった観音さんを譲り受けたのでは
ないかと推測されています。

本堂が再建され西本尊が安置された
年代と三十三間堂の話がだいたい一致するので
再建の折になんか話があったのかもしれません。

厨子も西本尊用に改造された
痕跡が調査の結果判明しています。

最後に

秘仏なのでなかなかお目に掛かれませんが
国宝の本堂は見ごたえ抜群です!

また内部も違った雰囲気を味わえます。

お近くに来られた際はどうでしょうか~??


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鶴林寺|『あいたた観音』白鳳仏の観音さん(文化財編)


鶴林寺(かくりんじ)

今回は鶴林寺
文化財編を紹介いたします!




鶴林寺については過去記事を参照下さい!

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文化財編の概要

鶴林寺は多くの貴重な文化財を有します。

特に

『あいたた観音』と

高麗仏画が著名でご紹介

致します!!

『あいたた観音』白鳳仏の観音さん

銅造の聖観音菩薩

白鳳期で飛鳥時代の作

あいたた観音さん (HPより拝借)

スタイルが抜群の観音さんで
美しさから第二次大戦前に
外国の展覧会にお出掛けされた過去を持ちます。

かつては全身を金で
覆われておりピカピカであったそうです。

しかし一度
1963年に盗難されましたが無事発見されました。

その折に一部が破損してしまったそうですが

綺麗に修復されました。

あいたた観音さんの由来

『あいたた観音』

というなんとも可愛い名前には由来があります。

むかし、むかし

観音さんが金で覆われていた時代。

この観音さんを見た盗賊は

『おっと金でできた観音さんだ!』

とすっかりオール金の観音さんと勘違いしてしまい

『溶かして売ってしまおう!』

と思い観音さんをパチリました。

そして持ち帰り溶かそうとしましたが

まったく溶けず盗賊は怒ってしまい

観音さんをトンカチで腰の部分を叩きました。

すると・・・・



『あいたたた!!!』



と観音さんが喋り盗賊は驚き

改心し鶴林寺に返しました。

なので『あいたた観音』と呼ばれます。

おしまい

ちなみに観音さんは
70キロの重量があるので相当重いです(笑)

観音さんの美しさ

この観音さんは何といっても美しさが凄いです。

流れるような天衣

そして静の中に感じる風の動き

そして美しいくびれ

そして微笑むような表情

飛鳥仏の特徴をよく表しています。

宝物館で拝観できますので是非一度ご覧になって下さい!

高麗仏画

高麗仏画 (HPより拝借)

この『高麗仏画

えげつないぐらい貴重な仏画です。

高麗時代に描かれた仏画
数幅しか現存しないと言われています。

しかし
鶴林寺はかつて韓国の窃盗団の襲撃を受けており

その時に高麗仏画は盗難され現在は写真が残っているのみです。

高麗仏画はなんとか発見に至りましたが返還は困難だそうです・・・

最後に

沢山の文化財を有するお寺です。

皆さんも是非『あいたた観音』さんにお会いしてください!



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如意寺|法界寺伽藍配置が残る神戸の古刹


如意寺(にょいじ)

  見どころ!!

  1. 法界寺伽藍配置という貴重な伽藍配置
  2. 緑が豊かで気持ちいい
  3. 凄い歴史を感じる
  4. 建物一つ一つが重厚で雰囲気が凄い

神戸市西区の山中に佇む古刹

  • 法界寺伽藍配置が珍しい
  • 3棟の建造物が国指定の重要文化財

どんなお寺?

山号 

比金山

宗派 

天台宗

開山 

法道仙人

本尊 

地蔵菩薩

創建 

奈良時代

神戸十三仏霊場3番(文殊菩薩

住所 

兵庫県神戸市西区櫨谷町谷口259

アクセス

至るまで道が狭いのでご注意です。

トイレ・駐車場は完備

お寺の縁起

如意寺の開基は
法道仙人と伝えられ

推古天皇の御代に櫨谷に飛来し

当山にて山翁(毘沙門天)より
霊木櫨(はぜ)の地蔵菩薩

造立を託され孝徳天皇の勅を
受けて大伽藍を設けたそうです。

平安時代に慈覚大師円仁さんがこられ
文殊堂及び常行堂が建立され今日の姿になる。

境内


境内は山中の開けたく
ぼ地のようなところにあり

手入れされた芝生と
木々が特別な場所である
雰囲気を伝えます。

山門

珍しい塑像の金剛力士が安置されている(鎌倉時代作)

お寺から離れたところにあり
往時の寺域の広大さがわかります。

如意寺に向かう途中にあります。

文殊

掛け造りの貴重な文殊

室町時代の建立で国指定重要文化財に指定されている。

本尊は僧形文殊菩薩

その他祀られている仏さん
はわかりませんが
厨子が2つあります。

正面からの文殊

本尊の文殊菩薩
慈覚大師円仁が多くの
経典と共に招来し安置されたと
寺伝で伝えられています。

御縁起では
『異朝和国随一之尊容是也』
と讃えられています。

堂内は簡素で渋い

堂内は簡素でとても渋いです。
恐らく修行が行われていた
行堂であると思われます。

縁側からの眺めも良く緑が気持ちいい

  • 掛け造りの建造物が貴重である
  • 僧形の文殊さんもかなり珍しい

常行堂

正面より(逆光ですいません・・・)

国指定重要文化財
鎌倉時代初期の建立で
正面を全面蔀戸としています。


前面が蔀戸(しとみど)
背面には後戸がありました。

三重塔

なんか雰囲気が凄いんです

国指定重要文化財
南北朝時代の建立。

全景

高台に建っているので境内を見渡せます。

本堂

本堂は現存していません・・・

第二次大戦後まもなく
老朽化と傾いたために解体されたそうです。

本堂跡の礎石

礎石を見る限りかなり
大きい本堂であったと想像します。

法界寺伽藍配置の遺構

創建当初は本堂と
常行三昧堂(現阿弥陀堂
の二堂からなる法界寺型の
伽藍配置をとっていたとされる。

あるいは、本堂跡の東にある
三重塔の前身を法華堂に想定し、
これに加えて西の常行堂
南の文殊堂という配置を
天台宗寺院でも早い時期の
遺構として10世紀の
願西尼による創建を支持する
説もあるそうです。

最後に

貴重な伽藍配置が織りなす
境内はどこか特別な
雰囲気が漂います。

お近くに来られた際はどうでしょうか~??


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